TapTap

Games worth discovering

iconicon
トレジャーメーカーustwo『モニュメントバレー』とその続き

トレジャーメーカーustwo『モニュメントバレー』とその続き

3K View2022-04-26
おススメのゲームについてたくさん書いてきたが、ここで方向性を少し変えてみよう。「トレジャーメーカー」は編集部が新たに展開したトピックシリーズであり、一人一作品ずつ国内外のメーカーを推薦し、激しくおススメ或いは猛烈にダメ出しを行うというもので(ダメ出しをする人間はおそらくいないだろう)、不定期に発表されている。ぜひ注目してみてほしい。  現在のスマホゲーム市場にとって、ustwo gamesは少し浮いた存在の会社だと言える。2014年彼らは『モニュメントバレー』で一躍人気を博し、その人気に並ぶ作品は未だに数える程しかない。 ゲーム業界の一般的な基準から見た場合、彼らは決してそれほど「良い会社」とは言えない。なぜなら、生産量も低く、安定せず、買い切りの家庭用ゲーム機、売上や収益のどれをとってもヒット商品の足者にも及ばなかったからだ。だがそれでも時間をかけて、このモバイルゲームの歴史において里程標とも言えるべき作品、及びその背後にあるチームを紹介していきたいと思う。 
TapTap
『モニュメントバレー』の物語
TapTap
 
TapTap
 2014年、『モニュメントバレー』が正式にリリースされ、その優雅なステージデザインと斬新で上品なビジュアルパフォーマンスで、全業界の注目の的となった。2017年、『モニュメントバレー2』が正式にリリースされ、その年のアップル開発業者大会で、指標作品として発表された。この二つのゲームは、今見てもなお得難い良作と言えるだろう。 ゲームステージのデザインコンセプトは、エッシャーの錯視版画を大量に取り込み、「一度中に入れば出てこられない」「現実では実現不可能」と称されている。以前にもマイナーなインディゲームが、そのデザインを取り入れていた。 
TapTap
エッシャーの古典的な作品と言えば、かなり既視感があるのではないだろうか。 だが『モニュメントバレー』の利点は、初めてここまで丁寧にこれらのコンテンツを内包させ、最もハードルを下げた方法でこれを皆の前に提供しているということだ。配色にしても、インタラクティブのディテールにしても、『モニュメントバレー』はかなりバランスが取れている。関連の開発業者に対するインタビューの中で、デザイナーは「どの画面もまるで芸術作品のように壁に掛けられるようにする」ことがデザイン目標の一つだと答えている。 
TapTap
 このようなビジュアル表現は一体どれ程の影響力があるのだろうか?「フランスのテンセント」と称される程のカジュアルゲーム開発業者であるketchappは、『2048』のモバイルバージョンにより、全世界でのダウンロード総量が16億を突破し、200余りもの作品をリリースしてきた。当時ダウンロード数が多かったミニゲームの中では、例えば『Skyward』がビジュアル的に『モニュメントバレー』をかなりの程度参考にしているが、恐らくおこぼれに預かろうとしていたのだろう。何しろ全員が買い切りのゲームにお金をかけたい訳ではない。もし無料で遊べるのなら、それに越したことはないだろう。 
TapTap
 では引き続き『モニュメントバレー』シリーズの話に戻ろう。このシリーズでは、文字が占める割合は非常に少なく、主人公が話をすることはほとんどない。だがプレイヤーはステージのディテール及び表現方法を通して、物語の全貌を推測することができる。 『モニュメントバレー』は許しに関する物語であり、エダは好奇心から神聖な幾何学を盗み出した。国土は記念碑となり、国民はカラスマンと化し、記念碑の間を徘徊している。そして続編の『モニュメントバレー2』は母の愛と別れに関する物語となっている。個人的には、日常生活とかけ離れた贖罪よりも、『モニュメントバレー2』の物語の方がプレイヤーの共感を獲得しやすいだろうと考える。 
TapTap
 
TapTap
プレイヤーたちが求めている内容
TapTap
 実際、ustwoは初めはまともな研究開発会社ではなかった。彼らの本業は「ユーザーのインタラクティブデザイン」であり、かつてはノキアやブラックベリーといった大手会社にサービスを提供しており、名実ともに「下請会社」と言える。 如何にユーザー(或いはプレイヤー)に最高の体験を提供するかが、下請会社の目標で、このような仕事理念は、彼らのゲームにおけるデザイン思想にも体現されている。2014年のGDC(ゲーム開発業者大会)で、製作者Ken Wong氏は「プレイヤーの時間を無駄使いせず、プレイヤーが求める内容を提供する。」と述べた。 プレイヤーが求めるものを提供する以外にも『モニュメントバレー』ではプレイヤーに想像空間を与えることを望んでいる。彼は「多くのゲームがプレイヤーに有限の選択を与え、異なる報酬でプレイヤーに百回以上も同じことを繰り返させているが、これではプレイヤーは何もしていない」と考えている。そして『モニュメントバレー』は「ほぼ何もせず」、プレイヤーに問題の解決案を探させることで、より素晴らしい体験をもたらしている。「なぜならこれは彼らが自分の意志でやり遂げていることだから」。 
TapTap
 
TapTap
彼らは今何をしているのだろう?
TapTap
 『モニュメントバレー』シリーズの製作者Ken Wong氏はその後ustwo gamesを離れ、太陽の光が充分に届くオーストラリアに戻り、新たなスタジオMountainsを立ち上げた。リリースされている作品の中で最も著名なものが、『florence』という、初恋体験をシミュレーションさせたインタラクティブ叙事ゲームだ。このゲームでは… 
TapTap
 略画のような画風を採用しており、核心となるプレイ方法はもっと簡単なものとなっている。プレイヤーは天の視点から、風と太陽の日差しの瞬間を捕らえ、彼らの関係に相応しい撮影を行い、彼らの別れの後、女の子の新たな旅路に立ち会うというものだ。このゲームはこれまでのKen Wong氏の作品と同様に、ほとんど会話をしない主人公グループに対し、スクリーン外にいるプレイヤーがゲームを体験している時には、数千数万もの言葉にも勝る情報を獲得できるものとなっている。 イギリスロンドンに位置しているustwoは、依然として創造力を持ち合わせているチームであり、彼らは精緻なビジュアル表現、スムーズなインタラクティブデザインにより、プレイヤーに変わった物語と体験を作り出している。彼らの続編となる作品ほぼ全てのゲームレジャープラットフォームに跨っており、その中にはVRゲーム『Land's End』、Apple Arcade独占のコンテンツ『Assemble with care』とマルチプラットフォームゲーム『Alba,a wild life adventure』がある。キャリアが異なったとしても、これらのゲームの画風は可愛くて清らかなものとなっており、インタラクティブデザインもスムーズで、至る所に可愛いディテールが施されている作品に仕上がっている。 
TapTap
 例えば『Alba,a wild life adventure』の中で、ゲームのメインストーリーは非常に短く固定されており、3-4時間程度でクリアできてしまう。そして操作の難しさもそれほどなく、プレイヤーがゲームの中でやる事は「動物の撮影」と「樹木の栽培」による環境改善のみとなっている。しかしプレイヤーの達成感は「荒れた小島を豊富なものに変えることで、動物たちが徐々に島に集まり、図鑑の中にある動物の情報もますます充実なものになっていくという充実感」にある。そしてこれらは全て「木を植え、成長を待つ」ことの一点に尽きる。僅かなことから真理を見出し、暖かさを伝える物語こそが、ustwoが得意としている叙事の表現方法となっている。 だが私は『モニュメントバレー』のことが忘れられない。それはある時間帯における「最高基準」を代表しており、多くの人のゲームに対する認識を改めさせた。「スマホゲームにできることは「フルーツカット」や「ロープ切断」だけでなく、もっと多くの物語を発見し、聞くことができるのだ」と。
Related Posts
真・スタイリッシュアクション『デビルメイクライ』シリーズの過去と現在
『デビルメイクライ』は非常に有名なゲームで、プレイ未経験の方でも、おそらく名前ぐらいは聞いたことがあるのではないだろうか。このシリーズ1作目の誕生秘話を一言で表すと――「やりすぎ」である。 2013年7月号の『大衆軟件』(中国のPC・ゲーム雑誌)に『バイオハザード開発秘話』と題した特別企画が掲載された。そしてこの記事の中で、意外にも『デビルメイクライ』シリーズ誕生の経緯が記されている。 1998年の『バイオハザード2』発売後、本シリーズのプロデューサーである三上真司氏は、続編となる『バイオハザード3』のディレクターに引き続き神谷英樹氏を採用する予定だった。しかしPlayStation(初代)の性能では神谷氏の企画を形にするまでに時間がかかり、新作の完成は少なくとも2000年になる見通しだった。だが、その頃にはPS2が登場し、PS用ソフトでは話題性が半減してしまう。 そこで、当時カプコンの取締役であった岡本吉起氏が『LAST ESCAPE』(もともとスピンオフの企画)を3作目にすることを提案し(PS2が販売される前に発売)、神谷氏の新作は4作目としてPS2で2001年にリリースする予定で進められた。
TapTap 編集部7112022-05-25
TapTap
アカウント削除より恐ろしい?ゲームで最も残酷なデスペナルティ
「死」はゲーム内でも特別なルールの1つだ。現実世界ではみんな命は1つだけ、死んだらお終いだ。暇でやることがないからと言って「一度死んでみようか?」なんて思う人はまずいないだろう。 だがゲームでは別だ。もしあなたが私と同じように下手だった場合、ゲームで死亡することは日常茶飯事のはずだ。 「ネットワーク管理者、このディスプレイには問題がある。人が見えたと思ったらモノクロになった」 それだけでなく、絶えず異なる死に方を試したくなるゲームさえあり、スクリーン上の突拍子のない死を見ながら大笑いまでしている。 死のルールも、単調なGAME OVERから様々な異なる形態に進化していった。中には死の恐怖を究極にまで高め、何としてでも生き延びようと思わせるよう工夫をこらしたゲームもある。 釜に入ったこの半裸の男は死亡することはないが、スクリーンの前のプレイヤーはやりきれない思いを繰り返し体験する また逆に死を面白おかしくし、繰り返しあなたを死への道へ邁進させるゲームもある。
TapTap 編集部4K2022-04-22
TapTap
パーティー日記 | 一つ目となるコラボの誕生秘話(キャラデザイン)
7月22日、フラッシュパーティー初のコラボキャラ: タララとプルルがゲームに正式に登場。 以前の探偵イベントで、誰が大都会の停電を引き起こしたのか、当てられたかな? (チリ:何もやっていないのに……) タララとのコラボを振り返ってみよう。 一年ほど前にコラボ相手を探していたとき、すごく情熱的で元気なゲーム少女、タララを見つけたの。 ゲームをこよなく愛するタララをフラッシュパーティーの世界に招待して、格闘ゲームの楽しさを味わってもらうなんて、すごく楽しそうでしょ? 嬉しいことに、タララとプルルも意気投合してくれて、TapTap星からフラッシュパーティーの舞台にやってきて、宇宙のイベントに参加してくれることになったの。 でも、タララが他のゲームの世界にやって来るのはこれが初めてじゃないよ。 格闘ゲームの中で、どうやってタララのスタイルを表現したらいいんだろう。 タララとプルルと何度も話し合った結果、いろいろなバトルスタイルを編み出して、パートナーの息の合ったチームワークを最大限発揮することにしたの。
Flash Party9122022-07-28
TapTap
Upcoming
湮滅:邊界線
Get iconicon
Honkai: Star Rail
Get iconicon
Genshin Impact - Lantern Rite
Get iconicon
Adventurers: Mobile
Get iconicon
Final Rumble
Get
iconView desktop site

TapTap looks better

on the app love-tato

Open with TapTap