2019年、宮崎英高氏がデザイナーを務めた『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』がゲーム界を席巻した。
このゲームは思わず興味津々と話したくなるほどの高難度ゲームであった。そのため、何度痛い目に遭っても一心に相手の攻撃パターンを探り出しては相手を弾き返そうと試みたくなった。そしてあの澄んだ鉄を打つ音を聞いても結局目にするものは攻撃方法ではなく、毎回画面に現れる大きな「死」という文字だったかもしれない。そうだ。今回はあの澄んだ鉄の音を楽しめるアクションゲーム『浪人:ザ・ラスト・サムライ』を紹介しよう。
『浪人:ザ・ラスト・サムライ』は水墨画風の硬派アクションゲームである。プレイヤーは主君を失った浪人を演じる。刀を手に敵討ちの道に踏み出し、自身の力で押し寄せる敵に対抗し、ラスボスの首を取ることを試みる。
プレイ方法はとてもシンプルであり、主に使うボタンは防御と攻撃の2つである。防御ボタンをドラッグすると、移動しながら敵の技をすべてブロックできる。相手が攻撃してきた瞬間に防御ボタンを押すと、ダメージを受けることなく相手の攻撃を弾き返し、相手のHPゲージ下の黄色の体幹値が増える。敵は体幹値がいっぱいになると倒れてプレイヤーのなすがままとなる。
このゲームでは攻撃もおのずと防御同様に重要になってくる。なぜなら敵は一般的な斬りつけ攻撃だけでなく、強力な必殺技も繰り出すからである。その際に敵の頭上に赤い色の「殺」の文字が現れ、その攻撃は弾き返せない。プレイヤーは依然として防御を選択できるが、そうすると自分の体幹値が大きく増加してしまい、また同様に一定のダメージを受けてしまう。そのため、相手が攻撃してきた瞬間に攻撃ボタンを押して回避行動をとることが最善の方法となる。そうすればダメージを受けることなく大量のダメージを与え、相手を返り討ちにできる。
攻撃ボタンと防御ボタンのほかに奥義ボタンもある。奥義は弾き返し、連続斬りまたは回避に成功した場合などでエネルギーをためられる。ゲームの奥義と攻撃方法は武器ごとに異なる。剣、太刀および双剣の3種類は、自分が手に入れた装備に応じて選択可能。
ゲームの主なプレイ方法は以上のとおりである。手短にいうと、常に敵の攻撃リズムを把握したうえで、弾き返し、そして隙を見つけて相手を斬りつけるということである。アーキテクチャは最近よく見られるローグライトアドベンチャー育成を採用している。毎回の戦闘でレベルがリセットされ、レベルアップする際にキャラクターが自由にスキルを選べる。また、体幹値の増加、追加HPの引き上げ、倒されている時間の短縮などはプレイヤーが自分の装備とキャラクターのステータスに応じて選択できる。
ゲームは各幕の第5章に小ボスが現れ、第10章に大ボスが出てくる。ボスとの戦闘はこのゲームのハイライトの一つであるといえる。どのボスも多彩な技を繰り出すため、一定程度の鍛錬が求められ、リズムをつかんでじわじわと敵にダメージを与えると倒せる。一気に20章をクリアすると、次の幕に進める。もしどうしても倒せない場合は練習モードを利用して自分の技を磨くこともできる。稽古に励んでこそ主君の敵を討つことができる!
要するに『浪人:ザ・ラスト・サムライ』は難度が極めて高いものの、その分見返りも大きな硬派アクションゲームである。アクションゲームやリズムををつかんで弾き返す戦闘を好むプレイヤーにお勧めの作品だ。相手への反撃に成功した瞬間に発せられる澄んだ鉄を打つ音は実に気持ちのいいものである。ゲームを始めたばかりの頃や新しい幕に入ってすぐは、困難な時期が続くかもしれないが、敵のリズムについていけないのであれば、雑魚キャラにまでもコテンパンにされてしまう。しかし敵をよく知ると、難なく一気に武徳を重んじない輩たちと向き合えるようになる。敵を弾き飛ばし、刀を振るい、また弾き飛ばし、刀を振るい、そして回避する。自分の呼吸を制御し、リズムをつかみ、すべての相手を一振り一振り斬りつけていこう。